福島潟フォトコンテスト.
福島潟の景観、風物詩、植物、鳥などの自然や、人と潟との関わりをテーマにした「福島潟フォトコンテスト」を毎年開催しています。
毎年このコンテストで福島潟の底知れぬ魅力を感じている私ですが、昨年のゴールデンウィーク期間に二日ほど撮影しました。写真愛好家の方々はもちろんですが、早朝からバードウォッチングや散歩を楽しむ人も多くいて、あらためて皆さんの憩いの場になっていると実感しました。私の住む東京からは車で4時間以上掛かるので、思いついたらすぐにGO !というわけにはなかなかいきません。しかし、地元に住む方々は好機にたくさん巡り合うと思いますので、これからも福島潟に通って楽しみながら素晴らしさを伝えて欲しいと思います。『ネイチャーフォトは宝探し!』まだまだたくさんの宝物が福島潟にはありますので、ご自身の目で見つけてくださいね。 2025年3月 審査員 米 美知子
応募者総数124人応募作品総数355点の中から、米美知子氏による厳正な審査の結果、以下の33点が入賞しました。 評・米美知子
晴天の空の下、枯れた蓮池を颯爽と歩くアオサギの端正な姿が魅力的です。後ろには雪をまとった二王子岳がどっしりと構えていますが、昨年は雪が少なかったのかもしれません。2月中旬の撮影にもかかわらず福島潟はすっかり春めいているようです。アオサギの位置も素晴らしく、タイトルの通り春を迎えに歩いて行くようですね。冬は晴れることが少ない新潟で貴重な晴れ間が清々しく、いつまでも見ていたい光景です。
撮影日からするとほぼ満月の時に撮影されているようです。そしてタイトルから想像すると、夜に昇ってきた満月に掛かる月暈と珍しい幻月かと思ったのですが、夜明けの太陽に掛かる日暈と幻日という現象かもしれません。撮影時刻が分からず写真だけでは月か太陽かの判断ができなかったのですが、どちらにしても素晴らしい気象状況を捉えた作品です。
降りしきる雨の中、オニバスの葉上にいるウシガエルの子供が何とも可愛らしいですね。シャッタースピードが的確で、水面に落ちた雨粒の跳ね上がる描写に雨音も伝わってきます。このカエルが何を思いながらこの雨粒を見ているのか知りたくなる素敵な光景です。
入選「タイムトンネル入口」安達初美
この穴は水位を調整するオーバーフロー管とのことですが、吸い込まれる水にまだ雪をまとった山並みを映し込んだのが素晴らしいです。菜の花と雪山を対比させてタイムトンネルと表現したセンスも素敵ですね。
仲睦まじい様子をまわりの雰囲気も入れて少し遠くから撮っているのがいいですね。きっと姉妹だと思いますが、優しいお姉ちゃんと嬉しそうな妹の声が聞こえてきそうです。
ハスの花を「背が高いな」と、小さなオニバスの花が見上げているような楽しいアングルですね。近年オニバスの池にハスが侵出しているそうですが、北限のオニバスとうまく共存してくれるのを願わずにはいられません。
手に取った瞬間に思わず「可愛い!」と声を出してしまいました。スズメのくちばしが真っ黒ではないのでまだ幼鳥かもしれません。お互いを見つめあう様子が微笑ましく、新潟と彫ってある石柱に乗っているのが面白いですね。
細い葉の上で羽を休めるトンボの後ろに虹色が入っているのが美しい作品です。おそらく彩雲の映り込みだと思いますが、少しアンダー目の表現にしたことで幻想的な雰囲気になっています。
これだけの焼けた空はなかなかお目に掛かれないので、作者もきっとドキドキしながら撮ったことでしょう。手前の葦原に雪があるのも季節感が表れていていい感じです
つくしとスギナを超ローアングルで撮ることで小人の目線で見ているようです。朝露だと思いますが、スギナに付いた小さな雫がキラキラとしているのも魅力的です。見過ごしそうな光景を素敵な世界観で捉えています。
ご自身の愛車を満開の桜と一緒に撮っているようです。私の審査でバイクが写っている写真は初めて見たのでとても新鮮でした。ライダーがスマホで愛車が引き立つフレーミングを考えているようにも見えますね。
オニバス池横の桜並木はフォトジェニックですが、この作品は水に浮く花筏を美しく表現しています。春の嵐で飛ばされた花びらがひと時集まる模様を絵巻としたのもいい感じです。
入選「菜の花便りに誘われて」渡邉周子
ちょっと首をかしげているようにも見える立ち姿が可愛らしいです。調べてみると長いくちばしや足の色からオオソリハシシギかもしれません。菜の花のボケ具合も的確で、優しい春の物語が伝わってきます。